雪かき東北縦断の旅

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

雪かき東北縦断の旅

旅の記録 「雪かき東北縦断」のブログです。期間は2017年1月~3月の2ヶ月間。福島県⇒山形県⇒秋田県⇒青森県と東北地方を雪かきを手伝いながらの縦断に挑戦します!

雪かき東北縦断一日目、親切に甘えて

他に乗客は殆どいないがらんとした電車内。
ボックス席に座った僕は、小さなテーブルの上に年賀状を広げ、ペンを走らせた。今朝来た年賀状の返信である。
電車はガタガタと揺れ、文字がゆらゆらとぶれる。
一通り書き終え、母親に餞別として受け取った弁当を広げて空きっ腹にがっつき入れた。
母親の心配する別れ際の顔が、脳裏に浮かびあがり、なんだか申し訳ない気持ちとちょっとした寂しさに浸った。
f:id:Yu-Ma:20170107212620j:plain


東武スカイツリーラインはスタート地点の会津田島駅へ向け突っ走り、約3時間半かけて到着した。
時間は14時を回っている。
駅を出ると、薄暗い曇り空の下、住宅街が広がっている。
12月の後半に、役場へ連絡を取って、雪かきで困っている民家を案内してくださいとお願いし、快く承諾して頂いた。
「では、到着したら役場まで来てください」と。
しかしそんな話はぶったぎられ、僕は役場へ行かないことになった。
理由は至極単純。
雪が全く無いのである。
今年は異常気象なのか、例年なら1メートルは積もってるこの会津田島では今年は全然降り積もっていないという。
雪が無いのならば、雪かきも出来ない。
役場の方と直前に再度相談し、今回は辞めてまたの機会に来てくださいということになったのである。

雪がなければそれだけ人も困ることは無いであろう。僕は北へ、会津田島から数駅先の養鱒公園駅を目指すことにした。

道路をひたすら歩き続ける。
ザックの肩紐が、100㍑のザックの重みで肩にのめり込み、発って早々に心のなかで悲鳴を上げた。
周りを山々に囲まれ、後ろを振り返ると、夕暮れ近くの陽光が雲間から射し込んでいる。その美しさに疲れが一気に吹き飛んだ。
f:id:Yu-Ma:20170107212039j:plain
写真を撮ろうとカメラのシャッターを切るが、カメラのシャッターが開かない。電源を入れて切り、切っては入れ、何べんも繰り返すが、シャッターはピクリともしない。
おかしい、昨日大ふんばつして買ったばかりの一眼レフ、。悲しき初期不良である。
実は昨日、元々持っていた一眼レフが突然動かなくなり、サポートセンターへ相談したところ、修理に出しても1ヶ月位かかると言われ・・・それでは明日出発する旅に間に合わなく、急遽同じ一眼レフを買ったのである。
数ヶ月後、アラスカへ行く時には2台持っていくつもりだったので、同じカメラを2台買うことに特別ショックは無かったのだが・・・
まさか2台目が買って早々に初期不良を起こすとは・・・山々とどこまでも広がる畑に囲まれ、透き通った空気の中、道路の真ん中で僕は1人怒り狂った。
店に苦情を入れると、会津若松のコジマ電気で取り替えてくれることになった。
※何べんも電気で入れ切れし、たまにシャッターが開いたときに撮った一枚である。

ひたすら続く道に、果たしてこの道はあっているのだろうか・・・疑問を覚えた僕は、道路脇の民家の戸を叩き、出てきた星さんという名前の姉さんとお婆さんに道を尋ねた。
養鱒公園駅ってこの道をまっすぐですか?」
「あらまぁ、こっから歩いて行くんか?遠いぞぉ、ほれミカンをやっから食いながら行きな」
そういってミカンを3つ手渡してくれた。
ミカンは甘酸っぱかったが心は暖まった。
f:id:Yu-Ma:20170107212127j:plain

日が暮れた。辺りは真っ暗になり、ようやく養鱒公園駅にたどり着く。

近くの公園でテントを張り、カラカラの喉を潤わそうと水筒を蓋をひねった。水が殆ど残っていない。僕はテントから出、辺りを見渡した。小さな公園に水道は無い。
直ぐ側の民家の戸を叩き、出てきたお婆さんに水を恵んで下さいとお願いする。
「そんなさみい所で寝るんか?」公園に張ったテントを見て、バーさんが言った。
「風邪ひいちまうべ、家にとまってけ」
どこの馬の骨ともしらぬ原人のような僕を・・・なんと親切な人が多い地なのだろう!
僕はその親切に甘えてしまった。

埼玉県の高校生の食いっぷりが見てみたいもんだ!!さぁたんまりくってけ、と 夕飯がたんまり出てきた。高校生じゃありません、と米を平らげると、すかさずお代わりを追加

f:id:Yu-Ma:20170107212155j:plain
とちの実の餅
8月頃落ちるとちの実を乾燥させ、湯がいて皮を剥き、灰汁をとって、餅にする。
とちの木はここ下郷の地の自然林に沢山生えている。ただその加工が大変なため、今では餅にする人は殆どいないという。

f:id:Yu-Ma:20170107212638j:plain
イカニンジン
初めて聞いたとき、イカ人間と聞こえ、聞き返してしまった。
会津他方では、縁起のよいものとされ、正月に食べられる、イカとニンジンの料理。

山から降りてきて、両腕にカボチャを 抱えてとっていく山猿を怒りながら、のんびりと年金暮らしをしている星さん夫婦。
ごちそうさまでした!!幸先の良い旅のスタートとなった。

2017年1月6日