旅
こちらのブログを止め、旅する蜂ブログを再開します! http://yu-ma.hatenablog.com/archive ユーコン川の旅、更新は滅多に出来ないと思いますが、一応報告させてください。 また、今回の東北の旅、僕のエッセイが山と渓谷社・ワンダーフォーゲル8月号の渡り…
小野川温泉に到着した頃には日は完全に暮れていた。辺りは真っ暗闇に包まれ、視界は殆ど効かない。疲労困憊で体全体が重く、足が痛かった。歩く力はもう殆ど無かった。温泉でも足湯でも何でもいいから今すぐ暖かい湯に浸かって休みたい。しかし真っ暗で何が…
2月26日、それは竜飛崎へゴールする前日の深夜の事であった。いてぇ…。僕は右足親指の付け根の痛みで目が覚めた。ズキズキと骨まで染み入るような、耐え難い痛みだった。それはまた、過去に経験した覚えのある痛みであった。それを思い出し、瞬時に嫌な予…
このブログを読んで下さっている方々から「まだ福島県に居るの?」とよく言われる。それは僕の完全なる怠惰が原因。更新を怠っていたからだ。ごめんなさい。しかしとうとう山形県へ抜ける時がやって来た。 福島県・喜多方と山形県・米沢の間を隔てる様に聳え…
~夢の森~ 武樋さんと別れてヒッチハイク等をし、西会津から4日ぶりに喜多の郷へと戻ってきた頃にはもう時は既に夕方の4時半を回っていた。野山の上に広がる空はオレンジ色に染まりかけている。行動をするのをもう止め、ここで前と同じように温泉に入ってテ…
2週間ほど前のこと、僕が所属する三峰山岳会の友達に「ハッチ―これ読んでみなよ!」とお勧めされて、今、少しずつ読んでいる本がある。 本の名は・・・・”猟師の肉は腐らない” 茨木、福島県の県境に聳える標高1000m程の八溝山。その山の中で、狩りをし、虫…
午後3時過ぎ、昼寝から目覚めたひでじいが言った。 「よし、折角だから今日は風呂に入ろう。1週間ぶりの風呂だ!うちは昔から薪風呂なんだ。八須さん、薪風呂に入ったことはあるか?」 そう言われて僕は、乏しい今までの記憶を漁ってみた。 いつのことだが…
こたつに入って酒を飲みながら浅見さんと僕は、眠くなるまでの数時間大いに語った。 いくつかの話題の中で特に僕の心を引き付けたのが、守人の話であった。 今はもうないのだが・・・浅見さんの住む早稲谷という集落から、うんと離れた山のその稜線上に、数…
深夜、突然テントの外から物凄い音がして、堪らず目が覚めた。 入口を開けて顔を出すと巨大な除雪車が、ガガガガッガガガッと音を響かせながら広い駐車場内を行ったり来たりしていた。 時計を見た。まだ2時半過ぎ、どえらい時間だ。とんでもない時間に目覚…
西山温泉を背に、峠道を柳津の町へ向かって歩き始めた。 車の殆ど通らない峠道はシンと静まり返り、雪だけが弱まることなく降り続けていた。 雪を被った山が回りを囲み、民家のない道が何処までも続いている。 寒い。小さくて冷たい無数の雪が、頬っぺたに触…
目覚めて入り口のチャックを下ろし、テントから顔を出した。 夜はとうに明け、唸り狂っていた風は収まっている。 雨は雪に変わり、ビチョビチョだった世界を薄く白い雪景色に変えている。 吐く息が白い煙となってユラリと漂っては何処かへ消えていった。 「…
6時20分、パチリと目が覚めた。 腹が一杯だ。物質的な満腹感ではない。 気持ちの面で腹が満たされているのだ。 昨日潤さんと会ってから寝るまでの約12時間、尽きることの無い話題を永遠と語り通した。 今まで知らなかったこと、ものの考え方、捉え方・・・昨…
他に乗客は殆どいないがらんとした電車内。 ボックス席に座った僕は、小さなテーブルの上に年賀状を広げ、ペンを走らせた。今朝来た年賀状の返信である。 電車はガタガタと揺れ、文字がゆらゆらとぶれる。 一通り書き終え、母親に餞別として受け取った弁当を…